皆さん医療事務というとどんな仕事を思い浮かべるでしょうか?病院の受付?雑用?看護師のお手伝い?医療事務の勉強をしている人はレセプト業務がある事もご存じかもしれません。実は医療事務という仕事、勤務先によってかなり仕事内容に差があるように思います。ここではそんな医療事務の仕事について説明していこうと思います。もし、医療事務をやってみたい!と思っている方がいれば、参考にしていただけると幸いです。
医療事務の仕事って?
医療事務の仕事内容ですが、はじめにも書いている通り勤務先によってかなり違いがあると思っています。
まず病院というのは、診療所(クリニック)と病院の2つに分けられています。
基準は病床(入院患者のベッド)数です。
病床数19床以下を診療所(クリニック)、20床以上を病院と呼んでいます。
クリニック
クリニックでは院長によって仕事内容が割り振られていますので、それぞれのクリニックによってどこまでするのかが違ってきます。
どこのクリニックでも共通の業務といえば、皆さんがまず想像するであろう受付です。受診に来た患者さんの受付をします。
それから最後の会計。ここでは受付の人がお金をもらっているだけのように感じますが、実際には先生のカルテを読みながら勉強した知識を元に診療費の計算をしています。
今では電子カルテが導入されているクリニックもありますので、先生が電子カルテで入力した情報が自動で計算用のソフトに入力され、間違いがないかを確認・訂正するだけで計算できるところも多いようです。
その他にも掃除、物品の管理、電話応対等の仕事もあるでしょう。
病院
20床以上を病院と呼びますが、医療事務として考えるともっと大きな200床以上の大病院になってくると、仕事内容にも差が出てくるのではないかと思います。
もちろんクリニックと同じ様に受付、計算などの業務もありますが、規模が大きい病院になればなるほど診療科がいくつもあり計算内容が複雑になったり、使える公費が増えたりと、特に専門的な知識が必要とされます。
全ての診療科の計算をしますので、それぞれの診療科に合った算定方法を学ぶ必要がありますし、出来る検査、治療も複雑になってきます。様々な公費を組み合わせて使う事もあり何が使えて何が使えない等、クリニックに比べるとかなり勉強内容が増えてきます。
レセプト業務
そして医療事務と言えばこれは欠かせない、クリニック、病院どちらでもあるレセプト業務。
医療事務講座をはじめると、とにかくレセプトの事ばかりです。
医療事務の勉強の際に学ぶのはレセプトの手書きの仕方。
ですが実際現場に立ってみると…レセプトは通常、計算した内容が自動的に印刷されるようになっています。手書きで書くことはほとんどありません。
実際にやっている業務は、レセプト点検と呼ばれる業務です。
その名の通り印刷されたレセプトを一枚一枚点検します。
病名と診療内容を見ながら適切な病名はあるか、適切な検査、治療、処方がされているか等をチェックしていきます。
例えば、風邪薬が処方されているのに風邪(正式には感冒といいます)の病名がなかったとしましょう。
そのまま保険者へ請求してしまうと、査定と言って病名がありませんよ!と指摘されてしまいます。
査定されてしまうと診療費10割のうち患者さんの負担3割を引いた残り7割分が保険者から入らず、病院側の損失となってしまうのです。
これを防ぐために患者さん一人一人のレセプトを点検し、先生に病名をつけてもらったり、請求に必要なコメントを入力したりして完璧なレセプトを作り上げていくのです。
入院業務
医療事務の仕事では、外来のみではなく入院に関する仕事もあります。
外来とは違い病院によって出来高、DPCといった算定方法が決まっており、こちらも専門的な知識が必要となります。
本ブログでは外来の医療事務に関する記事を中心に書いていきますので、入院業務に関しては詳しくは触れておりません。
資格は必要?
資格に関してですが、必ずしも必要ということはありません。
資格がなくてもOKという求人はよくあります。どちらかといえば、資格取得者よりも実務経験者の方が優遇されているようにも感じます。
ただし職場によっては、資格がある場合は給料に資格手当として加算されるという場合もあるようです。
医療事務の資格は「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)「医療事務管理士技能認定試験」「診療報酬請求事務能力認定試験」「医療事務認定実務者」の4種類ありますが、医療事務講座というものもあり、それを修了していればOKとしている求人もあります。
資格に関してはここでは割愛しますが、興味のある方はぜひ調べてみて下さい。
給料はどれくらい?
気になる給料面ですが…こちらに関しては地域、または求人によってかなりの差があります。
調べたところによると平均年収は250〜350万。
私の地域での話ですが、クリニックであれば「月収17〜19万円、ボーナス2回4ヶ月分」といったところが多いように感じます。
そして大きな病院になると、病院から直接雇用されるのではなく、派遣会社から雇用され、病院の受付として派遣されることが多くなります。
その場合、クリニック程給料は良くなく、月収15万〜17万円程度となります。
大きな病院の魅力といえば、クリニックに比べると窓口の時間でぴったり終わることができ、土日祝日休みのところが多い点だと思います。
そして何よりたくさんの事を学ぶことができるので毎日とても勉強になります。
ただし規模が大きくなればなるほど、患者さんの数が増えレセプトも増えるので、かなりの残業になる場合も。
どのくらいの規模が自分に合っているのか、よく考える必要がありそうです。
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